研究者総覧

川上 恭司郎 (カワカミ キョウジロウ)

  • プロテオーム研究 研究員(主任級)
Last Updated :2024/12/27

研究者情報

学位

  • 博士(薬学)(東邦大学)

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ORCID ID

J-Global ID

研究キーワード

  • 老化   細胞外小胞   エクソソーム   

研究分野

  • ライフサイエンス / 分子生物学

学歴

  • 2006年04月 - 2009年03月   東邦大学   大学院薬学研究科   博士後期課程
  • 2004年04月 - 2006年03月   東邦大学   大学院薬学研究科   博士前期課程
  • 2000年04月 - 2004年03月   東邦大学   薬学部

所属学協会

  • 日本分子生物学会   日本生化学会   日本細胞外小胞学会   日本薬学会   日本基礎老化学会   

研究活動情報

論文

MISC

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2024年04月 -2027年03月 
    代表者 : 加藤 卓; 水谷 晃輔; 川上 恭司郎
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2023年04月 -2026年03月 
    代表者 : 川上 恭司郎
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2023年04月 -2026年03月 
    代表者 : 大山 健一; 盛田 幸司; 川上 恭司郎
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2023年04月 -2026年03月 
    代表者 : 伊藤 雅史; 加藤 卓; 水谷 晃輔; 川上 恭司郎
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2021年04月 -2024年03月 
    代表者 : 水谷 晃輔; 藤田 泰典; 加藤 卓; 川上 恭司郎
     
    本研究では、癌免疫を利用した新規治療法の開発を目的とした。免疫担当細胞であるリンパ球は癌細胞を攻撃する際にパーフォリンとグランザイムを分泌し、前者により細胞膜に孔を開け、後者によりDNAを切断して癌細胞を死滅させる。本研究ではパーフォリンを癌治療に応用するためのデータ収集を行った。パーフォリン発現遺伝子を癌細胞に導入し、癌微小環境においてパーフォリンリッチとし免疫細胞の癌攻撃能力を増強させることとした。遺伝子導入療法では、有害事象低減の必要性から癌細胞特異的なドラッグデリバリー法が求められるため、モデルとして組織特異的なタンパクであるProstate Specific Antigen(PSA)を発現する前立腺癌を使用した。前立腺癌細胞特異的にパーフォリンを発現させるため、PSAプロモーターによりパーフォリンを発現するベクターを作成し、これをリポソームに内包しPSAを発現しているドセタキセル耐性前立腺癌細胞株(22Rv1DR)とPSAを発現していない前立腺癌細胞(PC-3)に添加したところ、22Rv1DRのみでパーフォリンの発現を確認できた。ついでパーフォリン発現がヒトリンパ球による癌細胞増殖抑制に及ぼす効果を調べるため、22Rv1DRとヒト末梢血単核球(PBMC)と共培養を行った。PBMCと癌(22Rv1DR)細胞の共培養では増殖抑制効果は認められなかったが、パーフォリン発現ベクター内包リポソームを添加すると強い細胞増殖抑制効果が認められ、パーフォリンリッチな癌微小環境が癌免疫に好ましい影響を及ぼすことが明らかになった。ついで22Rv1DRをマウスに皮下接種し、パーフォリン発現ベクター内包リポソームを経静脈投与したところ有意な増殖抑制効果が認められ、パーフォリン発現ベクター内包リポソームの全身投与における癌増殖抑制効果が確認できた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2021年04月 -2024年03月 
    代表者 : 加藤 卓; 水谷 晃輔; 川上 恭司郎
     
    近年、去勢抵抗性前立腺癌や転移を有する前立腺癌に対して多くの新規アンドロゲン除去療法や抗癌剤が保険適応となったが、薬剤投与前にそれらの治療効果を予測することは困難である。 本研究では細胞外小胞(エクソソーム)内のタンパクや核酸を解析することにより、体液生検により新規薬剤の治療効果予測を行い、個々の患者に適した薬剤を選択することを目的としている。 最初に新規薬剤の耐性に関与する候補マーカーを抽出するために、治療当初は新規アンドロゲン除去療法(アビラテロン)に感受性を示し、後に耐性を獲得した2名の去勢抵抗性前立腺癌の患者から、治療開始前と耐性獲得後に血清を採取し、エクソソームを単離した。単離したエクソソームよりtotal RNAを抽出し、RNA sequenceを行い治療開始前と耐性獲得後のmRNAとlong non-coding RNAの発現の変化を比較した。 次に前立腺癌に関与することが予想されるRNAを抽出するため、両患者に共通して5倍以上発現に変化を認めたRNAを対象に、TCGAのdatabaseを解析し、正常前立腺と前立腺癌の組織内でのRNAの発現量を比較し、RNA sequenceと同様に有意に発現の変化を認めたRNAを選択し候補RNAとした。 現在はdigital PCR法を用い、新規アンドロゲン除去療法を施行した去勢抵抗性前立腺癌及び、転移を有する前立腺癌患者の治療開始前の血清を用いエクソソームよりRNAを抽出し、候補RNAのcopy数を定量し、治療効果を予測できるかを検討中である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2020年04月 -2023年03月 
    代表者 : 伊藤 雅史; 川上 恭司郎; 水谷 晃輔
     
    細胞から分泌されるエクソソームは由来する細胞の特徴を反映することから、体液中エクソソームは新たなタイプのバイオマーカーとして期待されている。本研究では、血清から単離したエクソソーム中のアミロイドベータ・リン酸化タウ蛋白の検出によりアルツハイマー病と対照の鑑別が可能かどうかを検証するとともに、プロテオーム解析を行い、新規診断マーカーの候補を同定する。続いて、マーカーの検出システム構築した後に多検体で解析を行い、アルツハイマー病・MCI(軽度認知機能障害)と対照症例の鑑別における臨床的有用性を検証することを目的としている。 今年度は個々の検体からエクソソームを精製し、ラベルフリーによる定量プロテオーム解析を行うことを試みた。昨年度と同様にフォスファチジルセリン(PS)アフィニティ法により血清からエクソソームを単離し、解析を行うことにしたが、その過程で精製に関しての疑義が生じたため、別法による血清からのエクソソーム精製の検討を行った。ヒトプール血清を使用し、PSアフィニティ法を含めて、別のアフィニティ精製法、サイズ排除クロマトグラフィー法などによりエクソソームを精製し、サンドイッチELISAやLC-MS/MS解析でエクソソームマーカーの検出具合などを比較した。今後は最も良い精製条件と考えられる方法を選択し、アルツハイマー病の検体を用いた解析を進めていく予定である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2020年04月 -2023年03月 
    代表者 : 大山 健一; 盛田 幸司; 川上 恭司郎
     
    細胞から放出され体液中に存在するエクソソームは由来する細胞の特徴を反映していることから、様々な疾患で新たなタイプのバイオマーカーとして注目されている。本研究は、術後の免疫組織染色でしか知り得ないGH産生下垂体腺腫でのソマトスタチン受容体(SSTR)サプタイプの発現を、末梢血エクソソームの解析により測定するシステムを構築した後、術前後の患者の血清で測定し、組織でのSSTRの発現レベルとの相関を検討することにより、エクソソームによるソマトスタチンアナログ(SSA)の薬効予測診断の実現に向けた基盤的な知見を得ることを目的としている。 初期研究として、ヒト胎児腎細胞(HEK細胞)にソマトスタチン受容体2型(SSTR2)プラスミドを導入し、24時間エクソソームフリーの条件下で培養。培養液の上清を採取し, 上清から超遠心法によりエクソソームを単離した後、エクソソームマーカーに対する抗体(CD9、CD63等)を用いてウエスタンブロットを行い、エクソソームの単離を確認した。さらに単離を確認したエクソソームにおけるSSTR2の発現の有無を検討した。この際、最適濃度等の情報も十分でないため、まずはややタンパク量多め、抗体濃度高めにて行なったところ、エクソソーム内にSSTR2の発現が確認された。このため引き続き同実験系にて至適タンパク量及び至適抗体濃度の検討を行った。今後は引き続き下垂体腺腫細胞株(ラットGH3細胞)での検討を開始する予定で、同様な手法により、ラットGH3細胞エクソソーム内でのSSTR2の発現に関して検討を行うことを予定している。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2020年04月 -2023年03月 
    代表者 : 川上 恭司郎
     
    認知機能の低下は超高齢社会の我が国では重要な問題の一つである。認知機能低下の早期のバイオマーカー開発には様々な取り組みが行われているが、実用化には至ってはいない。その原因として、横断研究における個人差が挙げられる。そこで、本研究では同一人物を長期追跡した縦断研究の検体を用い、個人差を抑えた探索研究を行う。具体的には、細胞から体液中に放出され、由来細胞の成分を内包する細胞外小胞を血漿から単離した後にプロテオーム解析を行い、従来の血漿全体の解析では見えなかった新規バイオマーカーの発見を目指す。 本年度は以下のことを行った。 細胞外小胞の精製の検討:前年度までに検討を行ってきた、ホスファチジルセリン(PS)アフィニティ精製法により血漿から高純度の細胞外小胞が回収可能と考えていたが、その後の検討により限られた性質をもつ細胞外小胞のみを回収しているのではないかという懸念が生じた。そのため、PSアフィニティ法以外の別のアフィニティ精製法やサイズ排除クロマトグラフィー法なども含めて細胞外小胞を精製し、サンドイッチELISAやプロテオーム解析での細胞外小胞マーカータンパク質の検出程度の比較を行い、最もよい条件の精製方法を検討した。今後は現状での最適な精製方法を選定し、個々の検体からの細胞外小胞の精製およびプロテオーム解析を進めていく予定である。
  • 尿エクソソームを利用した尿路感染症診断法の開発と感染メカニズムの解明
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2018年04月 -2020年03月 
    代表者 : 水谷 晃輔; 藤田 泰典; 堀江 憲吾; 仲野 正博; 伊藤 雅史; 川上 恭司郎
     
    本研究の目的は尿路感染症における尿エクソソームのマーカーとしての有用性や生体反応の解明手段としての有用性の検証である。本年度に実施した研究では以下の成果を得た。 尿路感染症において細菌や細胞外毒素であるLipopolysaccharide(LPS)と直接反応する尿路上皮細胞と単球系細胞のモデルとしてそれぞれSV-HUC-1とTHP-1を使用し、大腸菌とLPSとの共培養を行い、細胞から分泌されるエクソソーム内で増加するシグナル因子(protein kinase B:Akt、Extracellular Signal-regulated Kinase:ERK)と転写因子(nuclear factor-kappa B:NF-kB)を見出した。さらにこれらの発現はLPSよりも大腸菌との共培養で顕著であることを確認した。ついで、実際にこれらの因子のヒト尿中エクソソーム内での発現を検討するために、密度勾配遠心法を用いて尿路感染症患者の尿から精製したエクソソームの解析をおこなったところ、これらの因子がエクソソーム内にあることが確認できた。その中で発現量からAktの測定が最も信頼性が高いと考え、尿路感染症の治療前後で尿中エクソソーム内におけるAktの発現比較を行ったところ、治療後にその発現が低下することが確認でき、尿路感染症のマーカーになり得る可能性を見出した。この結果を元に、尿エクソソーム内のAktの発現が無症候性細菌尿と尿路感染症患者における診断マーカーになりうるかを検討するため、immuno-capture法を用いて尿エクソソームを単離し、AktとエクソソームマーカーであるCD9の発現を検討したところ、尿路感染患者においてはそれらの発現が有意に上昇しており、無症候性細菌尿との鑑別のためのマーカーになる可能性を見出した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2016年04月 -2019年03月 
    代表者 : 伊藤 雅史; 藤田 泰典; 川上 恭司郎; 水谷 晃輔; 加藤 卓; 出口 隆; 亀山 紘司; 堀江 憲吾
     
    エクソソームにより前立腺がんの質的診断を行うための検出システムを開発することを目的とした。①前立腺がん細胞培養液から単離したエクソソームのプロテオーム解析を行い、γ-グルタミルトランスフェラーゼ1(GGT1)を候補マーカーとして同定後、エクソソーム上GGT活性を測定することにより前立腺がんと前立腺肥大の鑑別ができる可能性を示した。②<本項目は特許出願予定であるので、現時点での公表を差し控える。>以上により、前立腺がんのエクソソーム診断の実用化に資する知見を得た。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2016年04月 -2019年03月 
    代表者 : 川上 恭司郎
     
    本研究は神経炎症時に脳内のミクログリアから放出されるエクソソームの特徴を明らかにすることを目的とし、①LPS処理し炎症を惹起した培養ミクログリア細胞から放出されたエクソソームのプロテオーム解析を行い、エクソソーム内で発現変化を示すタンパク質を同定した。②炎症時に放出されるエクソソームが培養ミクログリア細胞を活性化することを確認した。③マウス脳組織内に存在するエクソソームの単離法を改良するとともに、細胞特異的脳エクソソームを免疫沈降法により単離できることを確認した。以上、神経炎症に伴い脳内ミクログリアから放出されるエクソソームの役割の理解に必要な基盤的な情報と方法論を得た。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究
    研究期間 : 2015年04月 -2017年03月 
    代表者 : 伊藤 雅史; 川上 恭司郎; 藤田 泰典; 田中 雅嗣; 藤﨑 健人
     
    細胞から分泌されるエクソソームは由来する細胞の特徴を反映することから、新たなタイプのバイオマーカー、細胞間情報伝達手段として注目されている。本研究では、マウス凍結脳からのエクソソーム単離法を改良した後に、ヒトの凍結脳からエクソソームを単離できること、脳エクソソームにはニューロン・グリア細胞由来のエクソソームが含まれていること、アルツハイマー病患者の脳エクソソームにはアミロイドβが存在することを確認し、ヒト脳におけるエクソソーム研究の基盤を確立した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 若手研究(B)
    研究期間 : 2014年04月 -2016年03月 
    代表者 : 川上 恭司郎
     
    本研究は、神経変性疾患に深く関与する神経炎症において、活性化ミクログリアから分泌される膜小胞、エクソソームが果たす役割の解明を目的とし、実験を行った。その結果、ミクログリア細胞(BV-2細胞株)から分泌されるエクソソームに含まれるタンパク質組成はLPS処理により変化することを見出した。その中でも変化が顕著であったヒストン分子については、そのものの投与では神経細胞(PC12細胞株)に障害性を持つことが分かったが、LPS処理したBV-2細胞由来のエクソソームを投与しても大きな変化は確認できなかったことから、分化後のPC12細胞や初代培養神経細胞に処理するなどのさらなる検討を要するものと考えられた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2012年04月 -2015年03月 
    代表者 : 今 一義; 池嶋 健一; 川上 恭司郎
     
    脂肪性肝炎の新規治療法を模索するため、脂肪性肝炎マウスの病態進展過程においてエピジェネティックな変化が果たす役割を、特に小胞体ストレスとの関連に着目して解析した。 運動療法は肝組織内カルニチンプールを増加させ脂質代謝不全を改善させることによって、脂質制限食による脂肪性肝炎の改善効果を促進させる可能性を示した。また、小胞体ストレスの亢進が肝組織におけるエピジェネティックな変化を誘導し、肝線維化・肝発癌の進展過程に関与していることを見出した。そして、フェニル酪酸による抗小胞体ストレス療法が病態の改善に寄与することをvitro, vivoの系で示し、新規の治療ターゲットになり得ることを明らかにした。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 若手研究(B)
    研究期間 : 2012年04月 -2014年03月 
    代表者 : 川上 恭司郎
     
    運動の抗老化メカニズムをタンパク質の変化から調べた。老齢ラットに2ヶ月間(23.5→25.5ヶ月齢)、週4回 60分間/日のトレッドミル運動を行い、肝臓タンパク質の変化を解析した。 2D-DIGE(蛍光標識二次元ディファレンスゲル電気泳動解析)により、全スポット662個のうち運動で有意な変化が13個解析された(増加が10個、減少が3個)。しかし、それぞれのスポットの発現比が2倍以上のものはなく、個々のシグナル強度は弱いものであった。 一次元のウエスタンブロット解析により、アセチル化タンパク質量がミトコンドリア画分で加齢に伴い減少すること、老齢ラットの定期的運動により増加することを見出した
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 研究活動スタート支援
    研究期間 : 2010年 -2011年 
    代表者 : 川上 恭司郎
     
    運動の抗老化メカニズムをヒストン修飾変化の観点から調べた。加齢および運動実験群のラットを調べた結果、腓腹筋のヒストンH3の4番目リシンのジメチル化は加齢により減少した。運動による変化は調べた部位では見られなかった。腎臓のヒストンH3では9番目リシンのアセチル化と10番目セリンのリン酸化の加齢による増加が見られた。腎臓のmRNA発現量の加齢変化を調べたところ、炎症関連遺伝子の増加が見られ、その遺伝子近傍には9番目リシンのアセチル化が多く存在していることがわかった。

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