研究者総覧

藤田 泰典 (フジタ ヤスノリ)

  • 生体調節機能研究 研究員(係長級)
Last Updated :2024/12/27

研究者情報

学位

  • 医学博士(2008年03月 名古屋大学)

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J-Global ID

研究キーワード

  • ミトコンドリア   老化   マイクロRNA   

研究分野

  • ライフサイエンス / 栄養学、健康科学
  • ライフサイエンス / 分子生物学

経歴

  • 2019年04月 - 現在  東京都健康長寿医療センター研究所老化制御研究チーム研究員
  • 2011年10月 - 2019年03月  東京都健康長寿医療センター研究所老化機構研究チーム研究員
  • 2008年04月 - 2011年09月  財団法人岐阜県国際バイオ研究所長寿・老化研究部研究員

学歴

  • 2004年04月 - 2008年03月   名古屋大学大学院   医学系研究科   健康社会医学専攻

所属学協会

  • 日本分子生物学会   日本ミトコンドリア学会   日本基礎老化学会   

研究活動情報

論文

MISC

  • 【「ミトコンドリアダイナミクスと代謝調節」】複製老化プロセスにおけるミトコンドリアの変遷
    藤田 泰典; 大澤 郁朗 基礎老化研究 45 (1) 25 -30 2021年01月
  • 重本和宏; 福永大地; 森秀一; 大村卓也; 野田義博; 藤田泰典; 大澤郁朗 日本生化学会大会(Web) 94th [1S05m -01] 2021年
  • 甲状腺濾胞細胞由来TSHR発現エクソソームの証明と、抗TSHR抗体によるcAMP産生への競合作用について
    江戸 直樹; 川上 恭司郎; 藤田 泰典; 盛田 幸司; 宇野 健司; 塚本 和久; 小野瀬 裕之; 伊藤 雅史; 石川 敏夫 日本内分泌学会雑誌 95 (4) 1331 -1331 2020年02月
  • 分子状水素による多様な疾患への多機能効果の分子機構 CD36を介したマクロファージの制御による分子状水素の血管老化制御
    池谷 真澄; 小松 真希; 藤田 泰典; 川口 英夫; 伊藤 雅史; 大澤 郁朗 日本生化学会大会プログラム・講演要旨集 92回 [3S12a -04] 2019年09月

産業財産権

  • 特許6711966:ミトコンドリア病診断用バイオマーカーとしてのGDF15    2020年06月17日

受賞

  • 2016年05月 日本基礎老化学会 第39回日本基礎老化学会大会若手奨励賞

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2021年04月 -2024年03月 
    代表者 : 水谷 晃輔; 藤田 泰典; 加藤 卓; 川上 恭司郎
     
    本研究では、癌免疫を利用した新規治療法の開発を目的とした。免疫担当細胞であるリンパ球は癌細胞を攻撃する際にパーフォリンとグランザイムを分泌し、前者により細胞膜に孔を開け、後者によりDNAを切断して癌細胞を死滅させる。本研究ではパーフォリンを癌治療に応用するためのデータ収集を行った。パーフォリン発現遺伝子を癌細胞に導入し、癌微小環境においてパーフォリンリッチとし免疫細胞の癌攻撃能力を増強させることとした。遺伝子導入療法では、有害事象低減の必要性から癌細胞特異的なドラッグデリバリー法が求められるため、モデルとして組織特異的なタンパクであるProstate Specific Antigen(PSA)を発現する前立腺癌を使用した。前立腺癌細胞特異的にパーフォリンを発現させるため、PSAプロモーターによりパーフォリンを発現するベクターを作成し、これをリポソームに内包しPSAを発現しているドセタキセル耐性前立腺癌細胞株(22Rv1DR)とPSAを発現していない前立腺癌細胞(PC-3)に添加したところ、22Rv1DRのみでパーフォリンの発現を確認できた。ついでパーフォリン発現がヒトリンパ球による癌細胞増殖抑制に及ぼす効果を調べるため、22Rv1DRとヒト末梢血単核球(PBMC)と共培養を行った。PBMCと癌(22Rv1DR)細胞の共培養では増殖抑制効果は認められなかったが、パーフォリン発現ベクター内包リポソームを添加すると強い細胞増殖抑制効果が認められ、パーフォリンリッチな癌微小環境が癌免疫に好ましい影響を及ぼすことが明らかになった。ついで22Rv1DRをマウスに皮下接種し、パーフォリン発現ベクター内包リポソームを経静脈投与したところ有意な増殖抑制効果が認められ、パーフォリン発現ベクター内包リポソームの全身投与における癌増殖抑制効果が確認できた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2020年04月 -2023年03月 
    代表者 : 大澤 郁朗; 藤田 泰典; 池谷 真澄; 伊藤 雅史
     
    本研究はH2による健康長寿促進を目指して、三つの問いを解明するための包括的研究である。第一の研究では、培養細胞系を中心にリピドームとメタボローム解析から、神経芽細胞SH-SY5Yを水素存在下で培養すると、1時間後にはカルジオリピンなどの特定のリン脂質が上昇し、同時にエネルギー代謝経路が広く抑制されることが判明した。この変化は一過的であり、その間にグルタチオンの低下など酸化ストレスの上昇が認められた。これがミトホルミシスなどの細胞防御機構を誘導することがH2の作用機序の一つであることを示しすことができた。さらに細胞死を抑制する機序については、水素ガス吸入による幼弱マウスの麻酔ガス吸入時脳細胞死抑制効果を確認し、その脳内で細胞死シグナル変化を解析している。第二の研究については、デキストラン硫酸塩投与の大腸炎モデルマウスで、水素水を1日1回投与するだけで病態が緩和された。デキストラン硫酸塩投与は小腸パイエル板でFoxp3の発現を減少し、Il6の発現を上昇させる。水素水の飲用はこれを抑制したことから、IL-6の抑制によって制御性T細胞の恒常性が維持されたものと考えられる。H2が免疫恒常性に関与するメカニズムについてさらに解析中である。第三の研究については、倫理委員会などの諸手続きが完了し、水素ガス吸引療法に必要な混合ガス吸入装置、水素ガス濃度計、安全装置などのセットが完了して、既に数名の急性大動脈解離患者について投与試験を完了し引き続き研究進行中である。
  • ミトコンドリア多様性の理解と臓器老化メカニズムの解明
    研究期間 : 2020年04月 -2023年03月
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2018年04月 -2020年03月 
    代表者 : 水谷 晃輔; 藤田 泰典; 堀江 憲吾; 仲野 正博; 伊藤 雅史; 川上 恭司郎
     
    高齢者は免疫能の低下等により感染症に罹患しやすい。膀胱炎や腎盂腎炎などの尿路感染症もその一つであるが、高齢者では自覚症状が明確でない場合があり確定診断に迷うこともある。さらに尿路感染症においては治療を要しない無症候性細菌尿の存在が尿路感染症の診断を困難にさせている。本研究では無症候性細菌尿と症候性の尿路感染症を区別する方法の確立を目指し尿中のエクソソームに着目し解析を行った。Tim4を用いたホスファチジルセリンに対するアフィニティー法で精製した尿中エクソソームのAktとCD9の発現量は無症候性細菌尿と比較して尿路感染症では有意に上昇しており、尿路感染症のバイオマーカーとなる可能性を見出した。
  • 腸内細菌由来OMVの生理・病理的役割の解明
    研究期間 : 2017年04月 -2020年03月
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2016年04月 -2019年03月 
    代表者 : 伊藤 雅史; 藤田 泰典; 川上 恭司郎; 水谷 晃輔; 加藤 卓; 出口 隆; 亀山 紘司; 堀江 憲吾
     
    エクソソームにより前立腺がんの質的診断を行うための検出システムを開発することを目的とした。①前立腺がん細胞培養液から単離したエクソソームのプロテオーム解析を行い、γ-グルタミルトランスフェラーゼ1(GGT1)を候補マーカーとして同定後、エクソソーム上GGT活性を測定することにより前立腺がんと前立腺肥大の鑑別ができる可能性を示した。②<本項目は特許出願予定であるので、現時点での公表を差し控える。>以上により、前立腺がんのエクソソーム診断の実用化に資する知見を得た。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2015年04月 -2018年03月 
    代表者 : 新美 文彩; 野宮 明; 藤田 泰典; 井川 靖彦; 本間 之夫; 伊藤 雅史; 相澤 直樹
     
    間質性膀胱炎は頻尿や膀胱痛をきたす原因不明の指定難病であるが、近年病型分類が着目されている。組織学的には炎症をベースとして、粘膜糜爛が著明なハンナ型と、非炎症性で粘膜変化のない非ハンナ型の2型に分類されるが、いずれも診断には生検や膀胱鏡が必須である。本研究では非侵襲的な尿中バイオマーカーを探索した。当初microRNAに着目し、組織中のmiRNA発現について網羅的解析およびISHを行った。解析中にハンナ型と非ハンナ型ではケモカイン関連遺伝子の発現量に有意差があることがわかった。尿中ではCXCL10やNGFが有意に上昇しており、非侵襲的にハンナ型と非ハンナ型が鑑別できることを論文にて報告した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2015年04月 -2017年03月 
    代表者 : 伊藤 雅史; 川上 恭司郎; 藤田 泰典; 田中 雅嗣; 藤﨑 健人
     
    細胞から分泌されるエクソソームは由来する細胞の特徴を反映することから、新たなタイプのバイオマーカー、細胞間情報伝達手段として注目されている。本研究では、マウス凍結脳からのエクソソーム単離法を改良した後に、ヒトの凍結脳からエクソソームを単離できること、脳エクソソームにはニューロン・グリア細胞由来のエクソソームが含まれていること、アルツハイマー病患者の脳エクソソームにはアミロイドβが存在することを確認し、ヒト脳におけるエクソソーム研究の基盤を確立した。
  • インスリン抵抗性の指標となる新規血中バイオマーカーの探索
    研究期間 : 2014年04月 -2017年03月
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2014年04月 -2016年03月 
    代表者 : 新開 省二; 伊藤 雅史; 藤田 泰典
     
    ミトコンドリア病の患者では血清GDF15濃度が非常に高いが、一般高齢者における血清GDFが軽度から中等度高いことの臨床疫学的意義は不明である。本研究では地域在住の一般高齢者1,836人を平均4.7年間追跡し、追跡期間中に発生した死亡(134例)とベースライン血清中のGDF15濃度との関連を調べた。Coxの比例ハザードモデルを用いて、性、年齢や既知の死亡リスクおよび炎症性マーカーの影響を除いても、GDF15濃度が高い人の死亡リスクは統計学的に有意に高かった。血清GDF15濃度は一般高齢者の総死亡を予測することから、高齢期の老化過程にミトコンドリア機能異常が関与している可能性が示された。
  • 筋萎縮の予防・治療法の新規標的分子となるmicroRNAの同定
    研究期間 : 2012年04月 -2014年03月
  • 筋萎縮におけるmicroRNAの役割の解明およびその改善への応用研究
    研究期間 : 2010年04月 -2012年03月
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2010年 -2012年 
    代表者 : 伊藤 雅史; 大野 欽司; 大口 健司; 藤田 泰典; 伊藤 智広; 飯尾 明生; 伊藤 美佳子
     
    分子状水素の効果は多岐にわたる病態で報告されている。その作用機序としてヒドロキシラジカルの選択的消去が提唱され、水素が酸化的障害を抑制することが確認されている。我々は、I型アレルギー・炎症・脂肪肝の細胞モデルにおいて、水素は生理的に重要な酸化的シグナルに対しては影響を与えず、細胞内シグナル伝達を抑制することにより効果を示すことを明らかにし、水素の新規作用機序として、シグナル伝達の調節を確立した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2007年 -2008年 
    代表者 : 伊藤 雅史; 原 英彰; 野澤 義則; 藤田 泰典; 古川 昭栄; 梅村 賢
     
    カロリー制限を行うと、生物の寿命が延長し、アルツハイマー病・パーキンソン病・脳梗塞を含む多岐にわたる疾患の発症・進行が抑制される。カロリー制限による酵母・線虫の寿命延長にはNAD依存性ヒストン脱アセチル化酵素Sir2の活性化が関与しており、その過剰発現により寿命が延長する。一方、哺乳動物のSir2ホモログであるSIRT1は、カロリー制限により脳で発現レベルが増加すること、ポリグルタミン病の線虫モデルでSir2の過剰発現により神経細胞死が抑制されること等が報告されたことから、SIRT1の活性化・過剰発現による神経細胞保護の可能性が示唆されている。本研究では、ラットNeuron Specific Enolase遺伝子のプロモーターにより、ヒトSIRT1遺伝子を神経細胞特異的に過剰発現するトランスジェニックマウスを樹立し、そのマウスを用いてSIRT1の発現増加による神経細胞保護の可能性を検証した。その結果、中大脳動脈閉塞による脳梗塞、1-methyl-4-phenyl-1,2,3,6-tetrahydropyridine(MPTP)投与によるパーキンソン病、胸髄切断による脊椎損傷のいずれにおいても、SIRT1過剰発現による神経細胞保護効果は認められなかった。予想に反して、トランスジェニックマウスでは、記憶・学習能が障害されており、それは高齢マウスで著明に認められた。この結果は、SIRT1の活性化・過剰発現が認知機能を障害する可能性を示しており、アルツハイマー病の動物モデルでSIRT1阻害剤nicotinamideの投与により認知機能が改善したという最近の報告とも矛盾しない。SIRT1の活性・発現の調節による神経細胞保護の可能性、その高次脳機能に及ぼす影響については、さらに詳細かつ慎重な検討が望まれる。

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