研究者総覧

小林 江里香 (コバヤシ エリカ)

  • 大都市社会関係基盤研究 研究副部長
Last Updated :2025/05/31

研究者情報

学位

  • 博士(社会心理学)(東京大学)

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J-Global ID

研究キーワード

  • 老年学   gerontology   

研究分野

  • 人文・社会 / 社会心理学
  • 人文・社会 / 社会学

研究活動情報

論文

MISC

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2023年04月 -2027年03月 
    代表者 : 小林 江里香
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2021年04月 -2025年03月 
    代表者 : 中川 威; 小林 江里香; 権藤 恭之; 斎藤 民
     
    [研究の目的] 世界的に平均寿命が延伸し,病気や障害,疲れや痛みなどの加齢に伴う喪失にいかに対処すべきかが重要な課題になった。先行研究は,高齢期には喪失が生じやすいが,多くの人は喪失に適応でき,病理的状態に陥らず,健康的状態を保つことを示した。しかし,先行研究は年間隔で追跡したため,日・月間隔で生じる喪失に伴う変化を捉えられず,人が喪失に,いつ,どのように適応したか?という問いに十分答えていない。 本研究は,適応指標として感情を用い,日・月・年などの複数の時間間隔で追跡することで,喪失前後に感情はどのような短期的変動と長期的変化を示すか?短期的な変動のしやすさは長期的に適応を促すか,妨げるか?という問いに答えることを目的とする。 [研究実施計画] 本研究では,前述した目的を達成するため,3つの研究を行う計画である。具体的には,一般高齢者を対象として,①30年以上の縦断研究により,病気や障害などの急に生じる喪失に伴う感情の長期的変化を検討する研究1,②日誌法・経験抽出法により,疲れや痛みなどの徐々に生じる喪失に伴う感情の短期的変動を検討する研究2,③複数の時間間隔で追跡するバースト測定法により,感情の短期的変動が長期的変化を予測するか検討する研究3を行う。 [研究の成果] 研究1では,19年間追跡した調査のデータを用いて,長期的変化を検討する分析を行い,国内学会で発表1件,国際学会で発表1件を行った。研究1の結果として,先行研究と異なり,多くの人は喪失後に心身の状態が悪化し,喪失前の水準に回復しない一方,長期的変化には個人差が大きいことが示唆された。 研究2では,日誌法による調査のデータを用いて,短期的変動を検討する分析を行い,国内学会で発表2件を行った。研究2の結果として,感情は日間隔で変動しており,年間隔での追跡では,喪失に伴う変化を正確に捉えられないことが示唆された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2020年04月 -2024年03月 
    代表者 : 小林 江里香; 村山 洋史; 山田 篤裕; 菅原 育子
     
    研究計画2年目の2021年度は、10月から12月にかけて、全国の60歳以上を対象としたパネル調査の第10回調査を実施した。2012年の第8回調査から追跡を継続する対象者(69歳以上)と新規対象者(60-92歳)には、面接法と留置法を併用した訪問調査を実施した。依頼状を送付した対象者数は、第8回から追跡する対象者については、事前に死亡・施設入所や調査継続拒否が確認された人を除く934人、新規対象者は住民基本台帳を用いて全国から層化二段無作為抽出した2,700人である。調査員が対象者の自宅を訪問し、対象者本人への面接調査(重い病気等の場合は家族等への代行調査)を行い、対象者本人が面接に回答した場合はさらに留置調査も依頼した。面接調査の回答者数(代行を含む)は、第8回からの対象者が706人(77%:訪問時に死亡・施設入所が判明した人を除く回収率)、新規対象者は1,227人(同46%)、留置調査の回答者はそれぞれ638人、1,016人であった。 他方、1987年~1999年(第1回~第5回)より追跡する継続対象者(85歳以上)730人および第8回調査からの対象者8人(施設入所判明者など)の計738人については、予算上の制約から家族等による代理記入を認める調査票を郵送し、健康状態、入院・入所状況などの把握のみを行った。調査票回収または家族等からの連絡により6割強の対象者の現状(死亡を含む)を確認できた。 第10回調査の準備・実施と並行して第1回~第9回調査(1987年~2017年)の既存データの分析を行い、独居と抑うつ傾向との関連が、性別、居住地域の都市度、調査時期により異なるかや、私的介護・介護サービス利用の約20年間の推移などについての論文化を進めた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2017年04月 -2020年03月 
    代表者 : 小林 江里香
     
    全国から無作為抽出された60歳以上の調査データの横断的・縦断的分析により、(a)フルタイム就労は月1回以上のボランティア参加を抑制するが、孫の世話や家事の従事者はボランティアにも参加、(b)ボランティア、趣味・稽古事については、退職年齢が70代以降の場合には退職後の活動参加が促されない可能性が示された。さらに、家庭内外の8種類の活動への参加状況に基づく類型化の結果、(c)「低活動群」は5年後の心身の健康状態が悪い、(d)仕事のみに参加する「仕事中心群」は低活動群に移行しやすい一方、有職で地域活動へも高頻度で参加する「有職・アクティブ群」は、社会的に活発なライフスタイルを維持する傾向があった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2013年04月 -2017年03月 
    代表者 : 小林 江里香; 深谷 太郎; 原田 謙; 村山 陽; 高橋 知也
     
    先行研究の多くは、エイジズムなど高齢者に対する態度に焦点を当ててきたが、本研究は高齢者の若年世代への態度に着目し、彼らへの支援行動との関連を検討した。無作為抽出された首都圏の60-69歳を対象にした郵送調査(813人、回収率54%)データを用いて、若年者への否定的態度、地域の子育て支援行動尺度等を開発した上で、様々な態度と若年者支援との関連を調べた。その結果、「世代性」は若年者支援を促す最も強い効果、「(若年者への)嫌悪・回避」は支援を抑制する効果を示した。さらに、若年時に年長者から支援を受けた経験は、「世代性」を高め、「嫌悪・回避」を低めることで、若年者支援を促していた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2011年04月 -2015年03月 
    代表者 : 秋山 弘子; 小林 江里香; 直井 道子; 杉原 陽子; 杉澤 秀博; 菅原 育子; 木村 好美; 山田 篤裕; 深谷 太郎; 新開 省二; 石崎 達郎; 村山 洋史; リヤン ジャーシー
     
    1987~2012年に実施された全国高齢者の追跡調査(計8回)と、戦後生まれを含む新しい高齢者パネルの初回調査データの縦断的分析や複数時点の横断的分析を行った。 家族以外のネットワーク、喫煙本数、BMI、運動習慣、移動能力は、加齢に伴い、必ずしも直線的ではないが減少しており、一部の平均値や変化量には出生コホートによる差がみられた。コホートや調査年による差は男女で異なり、男性のみで社会的孤立化が進んでいた。また、女性では、子どもとの同居が生活満足度(LS)を高める効果が弱くなる一方、友人との接触とLSとの正の関連は強くなるなど、主観的幸福感の関連要因にもコホートや調査年による差異が示された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2009年 -2011年 
    代表者 : 小林 江里香; 深谷 太郎
     
    高齢者において、社会関係が心理的well-being(WB)に与える効果が、性別や年齢などの個人属性によってどのように異なるかを検討した。先行研究のレビューや調査データの二次分析の結果、社会関係の多寡や、社会関係がWBに与える効果には、性別による差異がみられたが、これらの差異は、社会関係の種類やWBの指標によっても異なり、男性高齢者の場合は、配偶者の有無による差も大きかった。女性高齢者は、男性高齢者に比べ、友人や近隣との私的交流が多いだけでなく、子どもを含む、これらの私的な関係が生活満足度に与える影響が強い傾向がみられたが、抑うっ傾向をWBの指標とした場合は、この関係を支持する証拠は得られなかった。他方、男性高齢者は、私的な関係よりもむしろ、フォーマルな社会参加(グループやボランティア活動への参加)によってWBが高まる傾向がみられた。社会関係のWBへの効果には、性別だけでなく、年齢や学歴などによって異なる可能性もあるが、この点については十分なデータが得られず、今後の課題として残された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2004年 -2005年 
    代表者 : 小林 江里香
     
    【目的】地域における介護予防活動の担い手(=支援者)として前期高齢者に着目し、1)介護予防活動の推進において期待される住民の役割と、役割遂行のために必要な個人の資質や資源、2)求められる資質や資源を持つ潜在的支援者の参加促進のための方法を検討した。 【方法】介護予防活動を実践する自主グループ関係者からのヒアリングを行った。また、墨田区、杉並区の無作為抽出された60〜74歳各1000名への郵送調査を行い、47%(墨田)、56%(杉並)の有効回収率を得た。調査では、地域での介護予防活動について、支援者に限定しない一般的な参加意向を尋ねた後、9つのボランティアや手伝いの具体的内容を挙げて、活動希望と希望理由を尋ねた。 【結果と考察】活動実践者へのヒアリングの結果、保健・福祉専門職経験者や男性の参加への期待、会の運営における世話役の負担の大きさなどがわかった。郵送調査の結果、1つ以上の支援活動を実際にしている人(活動者)が約1割、していないがやってみたい活動がある人(潜在的支援者)が半数近くいた。活動者を潜在的支援者と比べると、墨田区のみ居住年数が長いほど活動者となる傾向が見られた。また、支援活動の中でも高齢者援助型(移動補助、話相手など)と組織運営型(活動内容の運営・企画、会計、専門知識提供)の活動には希望者の属性に異なる傾向が見られ、組織運営型には高齢者援助型のような女性の希望者が多いという男女差はなく、学歴による差(高学歴の希望者が多い)があった。また、組織運営型では、地域貢献や自身の知識・経験の活用を動機とする人が相対的に多かった。高齢者援助型の活動に限ると、一般的な参加意向はないとした人でも約2割はこれらの支援への意向を持っていた。地域での介護予防活動では様々なタイプの支援が必要であることの周知が、多様な住民の参加促進にもつながると考えられる。

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