研究者総覧

佐藤 薫 (サトウ カオル)

  • 認知症未来社会創造センター 研究員(係長級)
Last Updated :2025/02/21

研究者情報

学位

  • 博士(生命科学)(東京大学)

ホームページURL

科研費研究者番号

  • 20548507

ORCID ID

Researcher ID

  • G-5052-2014

J-Global ID

研究キーワード

  • アルツハイマー型認知症   神経変性疾患   認知症   老化   生殖細胞   不妊   ホルモン   RNA   非コードRNA   核内受容体   バイオマーカー   ゲノム   エピジェネティクス   

研究分野

  • ライフサイエンス / 病態医化学
  • ライフサイエンス / 病態神経科学
  • ライフサイエンス / 分子生物学
  • ライフサイエンス / システムゲノム科学
  • ライフサイエンス / ゲノム生物学

経歴

  • 2021年05月 - 現在  東京都健康長寿医療センター研究所准主任研究員
  • 2013年01月 - 2021年04月  東京大学大学院理学系研究科 生物科学専攻助教
  • 2012年05月 - 2012年12月  慶應義塾大学医学部 分子生物学教室助教
  • 2009年04月 - 2012年04月  慶應義塾大学医学部 分子生物学教室特任助教

学歴

  • 2004年04月 - 2009年03月   東京大学   大学院新領域創成科学研究科   先端生命科学専攻
  • 2000年04月 - 2004年03月   東京理科大学   理工学部   応用生物科学科

所属学協会

  • 日本ステロイドホルモン学会   日本認知症学会   日本基礎老化学会   日本分子生物学会   日本RNA学会   

研究活動情報

論文

MISC

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2020年04月 -2024年03月 
    代表者 : 佐藤 薫
     
    piRNAは生殖組織特異的に産生される小分子RNAであり、トランスポゾンの発現を負に制御することで、それらのゲノムへの侵略を防ぎ、生殖ゲノムの品質管理を担う。piRNA産生に異常が生じると不稔となり、種の保存は成立しなくなる。piRNAは、piRNAクラスターと呼ばれるトランスポゾン断片が集積したゲノム領域から転写される。ショウジョウバエ卵巣では特に、Dual-strandクラスターと呼ばれるpiRNAクラスターが活性化しており、そのゲノム領域はヘテロクロマチンヒストンマークH3K9me3に富むが、HP1aパラログであるRhiタンパク質が相互作用することで転写が活性化されている。しかし、その転写活性化の作用機序は不明な点が多く、さらに、そもそもどのようにRhiがDual-strandクラスターのH3K9me3を特異的に認識しているのかはまったく明らかになっていない。本研究では、それらの仕組みを明らかにするために、Rhiが発現してない培養細胞を用いたゼロベースでのゲノム条件下においてRhiおよび核内piRNA因子群を異所的に発現させた人工的な実験系を用いて、①Rhi相互作用ゲノム部位の同定、および、②Dual-strandクラスターの転写活性化に最低限必要な遺伝子セットの同定、③Rhi相互作用ゲノム部位のクロマチン状態変化の解明を行う。以下に、本研究の進捗と今後の予定について述べる。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2019年04月 -2023年03月 
    代表者 : 菊地 泰生; 平形 樹生; 佐藤 薫; 塩見 美喜子
     
    トランスポゾンは生物進化を助長する一方で、トランスポゾンの転移活性はゲノム損傷ひいては致死を引き起こすため、真核生物はSmall RNAによるRNAサイレンシング機構を駆使してトランスポゾンを抑制する。近年発見されたC. elegansの姉妹種C. inopinataは、C. elegansの約2倍の体サイズをもち、C. elegansとは大きく異なる生殖様式や生態を有している。C. elegansとのゲノム比較により、C. inopinataのゲノムにはトランスポゾンが特徴的に多く存在し、さらに、C. inopinataはSmall RNAを制御するergo-1パスウェイが欠失していることが分かった。本研究では、C. elegans-C. inopinata比較解析系を用いて、トランスポゾンによるゲノムの構造進化、さらにそれを制御するsmall RNA機構を明らかにすることをゴールとし、以下の研究方法により、生物情報学と生化学、遺伝学的解析を行う。 ・C. inopinataの発達ステージごとのsmall RNA発現解析 ・C. inopinataのArgonauteのインタラクトーム解析 ・野外分離株を用いたC. inopinataのゲノム進化解析 以上により、C. inopinataにおける、small RNA パスウェイとsmall RNAによるトランスポゾン制御機構を理解し、C. elegansとの比較により進化学的理解を得る。さらに、野生採取株のゲノム解析により、C. inopinataにおけるトランスポゾンによるゲノム進化の現状を明らかにする。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2018年04月 -2020年03月 
    代表者 : 佐藤 薫
     
    piRNAは生殖組織特異的に産生される小分子RNAであり、生殖細胞においてトランスポゾンの発現抑制を行う。piRNAは、プライマリー経路とピンポン経路の2つの経路によって産生され、プライマリー経路によって産生されたpiRNAがピンポン経路を駆動することでピンポンpiRNAが産生される。piRNA産生の必須因子(piRNA因子と呼ばれる)の多くはRNA結合モチーフをもち、細胞質において顆粒状の局在パターンを示す。特に、生殖細胞では、それらpiRNA因子が凝集し、非膜性の細胞質顆粒体Nuage(ヌアージュ)を形成することから、Nuageの形成がピンポンpiRNA産生に重要であることが示唆されている。本研究では、Nuageに局在する2つのpiRNA因子VasaとMaelに着目して研究を進めた。VasaはRNAヘリカーゼドメインの他に、N末に天然変性領域(IDR)を有し、ヒトVasaホモログDDX4はN末のみで液液相分離(LLPS)により非膜性顆粒を形成することが報告されている。本研究では、in vitroにおいてVasaが顆粒を形成すること、さらに、RNAの有無によりその顆粒数・顆粒経が変化することを明らかにした。さらに、N末のIDRだけでなく、RNAヘリカーゼドメインのRNA結合活性も顆粒形成に重要であることを明らかにした。また、Maelについて、MaelはVasaとは異なるSub-type Nuageを形成し、Maelが顆粒を形成することで重要なpiRNA因子であるSpn-Eを局在させ、Vasaとの結合を促進することが示唆された。また、Maelは、HMG-boxドメインとMAELドメインを有し、両ドメインがMaelの分子機能、顆粒形成に必須であることを明らかにした。本研究において、VasaとMaelの異なる細胞質顆粒の形成機構とpiRNA生合成における機能を明らかにした。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2016年04月 -2018年03月 
    代表者 : 佐藤 薫
     
    piRNAは生殖細胞特異的な小分子RNAであり、PIWIタンパク質と複合体を形成することで、核内外でトランスポゾンの発現抑制を行う。それにより、トランスポゾンの宿主ゲノムへの侵略を防ぎ、生殖細胞ゲノムの品質管理を担う。これまでの解析から、核内でのトランスポゾン発現抑制にはヒストン修飾などのエピジェネティックな制御が介在することが示唆されているが、その分子機構の詳細はまったく明らかになっていない。本研究の目的は、Piwi-piRNA複合体が核内でどのようにしてトランスポゾンの発現を抑制しているのか、その分子作用機序を明らかにすることである。具体的には、ショウジョウバエ卵巣由来培養細胞OSC を用いてPiwi相互作用タンパク質を単離し、Piwi-piRNAが標的とする分子実体を明らかにする。 Piwi相互作用タンパク質及び、核内piRNA因子であるMaelstrom (Mael)の相互作用タンパク質をショットガン質量分析法により解析した結果、転写活性化因子Brahma (Brm)を共通因子として同定した。Brmはトランスポゾンの転写活性化に寄与し、正常細胞ではPiwiによってBrm機能が不活性化されているためトランスポゾンの発現が抑制されていることを明らかにした。さらに、PiwiはMaelとBrmの相互作用を促進し、MaelによるBrm機能の抑制に寄与することがわかった。Brmは、BAPとPBAPの2つの複合体の構成因子であり、トランスポゾンはいずれかの複合体によって転写活性化されていることがわかり、少なくともBAPに関して、MaelはBAPの構成因子であるOsaとBrmの相互作用を阻害することでBAPの活性を抑制することを明らかにした。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2014年04月 -2016年03月 
    代表者 : 佐藤 薫
     
    生殖細胞特異的に産生される小分子RNAであるpiRNA (PIWI-interacting RNA)はトランスポゾンなどの発現抑制に寄与する。本研究では、カイコ生殖細胞におけるpiRNA生合成経路に焦点を当て、その生合成必須因子Maelstromの分子機能の解明を目的とし、Mael相互作用RNA(①)及びタンパク質(②)の解析を進めた。①については、CLIP法の条件を整え、現在Mael相互作用RNAの解析を進めている。②については、抗Mael抗体などを用いた免疫沈降により結合タンパク質を同定した。現在Maelとの機能的な相互作用機序の解析を進めている。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2012年04月 -2014年03月 
    代表者 : 佐藤 薫
     
    piRNAは、生殖細胞特異的に産生される小分子RNAであり、PIWIタンパク質と特異的に結合する事によって、生殖細胞系において転移因子の遺伝子発現を抑制し、それらのゲノムへの侵略を防ぐ。piRNAは一次経路と二次経路によって産生され、ショウジョウバエPIWIタンパク質の一つAGO3のpiRNAは二次経路によってのみ産生される。本研究では、ショウジョウバエpiRNA因子KrimpがAGO3のpiRNAが二次経路によって産生されるよう制御する因子であることを明らかにした。また、Krimpは一次経路によって作られるpiRNAがAGO3へ行かないように制御していることも明らかにした。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2009年 -2010年 
    代表者 : 佐藤 薫
     
    本研究の目的は、RNA サイレンシングに関わるmaelstrom (mael)遺伝子の微小管・中心体形成における分子機能を明らかにすることである。当研究室で作成した抗Maelモノクローナル抗体を用いた免疫沈降法により、γTubulinタンパク質を新たなMael 結合分子として同定した。また、mael変異体ではγTubulinの局在に異常が生じており、maelがγTubulinと相互作用し、その局在などを制御する因子として機能していることが明らかとなった。

その他のリンク

researchmap



Copyright © MEDIA FUSION Co.,Ltd. All rights reserved.